文豪サマーセット・モームも愛したシンガポールの名門ホテル「ラッフルズ」で誕生したカクテル。1915年の誕生当初は9種類もの材料を使う複雑なカクテルだったといわれている。その「シンガポール・スリング」を、よりシンプルにアレンジしたのがロンドンのバーテンダー、ハリー・クラドック氏。遠い南国への憧れからか、またたく間に人気のカクテルになり、世界的に有名なカクテルになった。現在では、そのロンドン・タイプのレシピが主流だが、オリジナルに近づけるバーテンダーもいて、好みの分かれるところ。
やや甘口   
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・14°
         
フィズは、酒の入ったレモン・スカッシュの総称。ベースがジンであれば「ジン・フィズ」になり、その他のスピリッツを使えば、そのスピリッツの名前になる。フィズの意味は、ソーダ水の炭酸ガスがグラスの中ではじける音を表現した言葉らしい。飲み口がさっぽりしていてクセがないので、誰からも親しまれ、スターターにも、最後の仕上げの口直しにも向くオールマイティなロング・ドリンクスの代表格である
中口    
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・14°

        
「ソルティ・ドッグ」とは、イギリス海軍のスラングで「甲板員」のこと。いつも荒波を浴びて仕事をしているからという、なんともひどい言いようだが、そのソルティ・ドッグが、これほどまで人気のあるカクテル名になろうとは誰が想像したろう。イギリスで生まれた時はお国柄かジン・ベースだったが、第2次世界大戦後、アメリカに伝わりウォッカ・ベースのカクテルとして大ブームになった。スノー・スタイルの塩が口直しになり、グレープ・フルーツの苦味とともに暑い夏の日にぴったりのさわやかさを生む。
中口    
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・12°
       
数あるカクテルの中でも、ひときわ異彩 を放っているデコレーションの1杯である。「ホーセズ・ネック(馬の首)」の名前の由来は、グラスの中に伸びたらせん状のレモンの皮を馬の首に見立てたとも、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領が乗馬のときにこのカクテルを愛飲したからだともいわれている。ブランデーとジンジャー・エールはもともと相性がよく、そのうえレモンの皮からさわやかな香りが立ち上り、スッキリとした飲み口とともにおいしさを演出してくれる。
中口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・14°
           
フィズとは、スピリッツにレモン・ジュースと砂糖を加え、ソーダ水で割った飲み物の総称。ベースになる酒や、さまざまな副材料との組み合わせで数十、数百のバリエーションがある。ダービー・フィズは、その中でもコクのあるタイプの一つ。この1杯を片手に愛馬の活躍を観戦するイギリス貴族の姿が目に浮かぶような優雅な味わいである。ベースをジンに変えると「ロイヤル・フィズ」、全卵を卵黄だけにすると「ゴールデン・フィズ」、卵白だけにすると「シルバー・フィズ」となる。
やや甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・15°
           
「アイスバーグ」とは“氷山”のこと。グラスの中の大きな氷を氷山に見立て、ウォッカの海に浮かぶ様子を表現したカクテルである。このカクテルはアメリカの有名誌『エスクァイア』が企画した「有名人の作ったカクテル」で紹介されたもの。作者は、ジャーナリストのナンシー・バーグ氏。バーグ氏のスペル“BERG”にもかけたダブル・ミーニングか。ほとんどがウォッカで、かすかにアニス酒のアクセントをつけたドライなカクテルである。
辛口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・35°
         
このカクテルの誕生には、キューバ建国のドラマが秘められている。キューバがスペイン統治からの独立を果たしたのは1902年のこと。そのときの民衆の叫び“ビバ!クバ・リブレ(自由なキューバ、万歳!)”のフレーズが、そのままカクテル名になった。当時、キューバ独立を支援したアメリカのコーラで、キューバ特産のラムを割るという、当時の2国間の友好関係の象徴でもあった。
中口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・14°
            
ロングカクテル

この他にも美味しいカクテルがいっぱいです。
マスターに聞いてみてね。

         
建築現場の作業員が、ウォッカとオレンジ・ジュースをスクリュードライバー(ねじ回し)でかき混ぜて飲んだところから、この名前のついたカクテル。生まれは雑で無粋でも、戦後、日本で大ブームとなった。その要因は、ウォッカが無味無臭なので、オレンジ・ジュースのようにクイクイ飲め、それを女性に飲ませて、との下心。今では広く知れ渡って、そうやすやすととはいかないが、本来、カクテル自体に罪はない。夏の暑い日、喉の乾きにぴったりの爽快なカクテルである。
やや甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・20°