ストレス   貴方はだいじょうぶ?
自覚できないストレス
見出しドットゆでガエルの怖さ

カエルを熱いお湯に入れるとびっくりして飛び出しますが、水からゆっくり煮ていくと熱くなるのに気付かずに逃げるきっかけを失い、最後にはゆで死んでしまう、というたとえ話があります。
感覚は、少しずつ慣らしていくと、どんどんまひしていくことを表現したもので、ストレスに関してもこれは当てはまります。
仕事上の失敗や新たに生じた不満などは、はっきり自覚される急性ストレスです。自覚出来ない程度の軽い疲れや責任の重さなどは、長い時間をかけて静かにたまっていく慢性的なストレス反応です。

 
見出しドット感情の起伏が乏しくなっていたら

不満や怒りを感じないから不快ストレスはない、という人がいます。その中には本当にストレス耐性が高く、ほとんどの刺激を快ストレスとして受け止めている人も確かにいます。
しかしその一方で、自覚されない慢性ストレスのために生き生きした感情の起伏が弱くなっている場合もあるのです。
最近あまり腹が立たない、そのかわりうれしいこともあまりない、というような、刺激に対して鈍感になっているような場合は要注意です。
まずは自分の中に慢性ストレスがたまりつつある、ということを自覚すること、それがストレス解消の第一歩となります。

   
振り返ってみませんか?ストレスを招く5つのパターン


ストレスを招く5つのパターンとは?

同じ状況にあっても、ストレスの感じ方は人によって異なる。では、ストレスをためやすい人は、心や行動にどんな特徴があるのだろうか?ストレスをためがちな人にみられる5つのパターンをあげてみたので、自分の心や行動を振り返ってみよう。

パターン1
仕事や家事、育児などに追われ、なかなかゆっくり休めない

息抜きの時間がなく、フル回転で仕事や家事、育児をこなしている
例
・残業続きで帰宅は毎日深夜、土日も仕事が頭から離れない
・夜遅くまで家事や育児で手一杯で自分の時間をまったくもてない
 

息抜きの時間がなく、フル回転で仕事や家事、育児をこなしていると、いずれ心身が疲弊し、いままでどおりにこなせなくなってしまう。これは、休みなく機械を回しつづけていると、いずれモーターが焼きつき、動きがストップしてしまうのと同じ。
ポイント 1日ですべてのことをこなそうとせず、周りの人の協力も得ながらマイペースで取り組んでいこう。

パターン2
悩みを家族や友人に話さず、内にためがちである

例
・悩みを話すのは弱い人間と思っている
・人に頼ったら負けと思っている
 
ついつい自分に鎧を着せ、大切な人に心を開く機会を失ってはいないだろうか?悩みを自分の中だけにためこんでいると、ストレスがますますつのってしまうことになる。
ポイント 話すだけでも気持ちが楽になったり、大きな悩みが小さなことに思えてくることもある。自分が信用できる人に悩みを打ち明けることで、心の中のもやもやを早めに解消していこう。

パターン3
几帳面で融通がきかないとよく言われる

例
・何気ない会話のなかで、「〜しなくちゃならない」「〜すべきだよ」という言葉を使う
 

とても几帳面で仕事や約束事もきっちりこなす反面、一定の秩序が保たれていないと不安になってしまう。そのため、臨機応変に物事を捉えることができず、ストレスをためこみやすくなりがち。
とても几帳面で仕事や約束事もきっちりこなす
ポイント ひとつの思考パターンにがんじがらめになっていると、柔軟な考えが浮かばず、自分を追い込むことにもなりかねない。ひとつのことに執着して出口が見えなくなっているときには、ほかの面から捉えることができないか、さまざまな方向から考えてみるよう心がけてみよう。

パターン4
責任感が強く、何事も徹底してやらないと気がすまない

例
・仕事熱心で手抜きが許せない
・細かいことまで徹底してやらないと気がすまない
 
仕事が生きがいで、どんなに残業しても苦にならないため、休むことなく目の前の仕事に取り組むことができるが、ちょっとしたミスなどをきっかけとして一気にやる気をなくしてしまうこともある。また、責任感が強いために失敗したことが許せず、いつまでたってもその失敗が心に残り、自分を責めてしまうこともある。
ポイント 真面目で熱心、責任感が強いという性格は長所である。ただ、ストレスをためこみやすい傾向にあるので、熱心に取り組んでいるときこそ、冷静に自分を見つめる目をもつことも必要である。

パターン5
自分なりの気分転換法をもっていない

休日をどう楽しんだらいいかわからない
例
・気晴らしや趣味がない
・休日をどう楽しんだらいいかわからない
 

自分なりの気分転換法をもっていないと、人生がつまらなく思えたり、生きることに意味を見出せなくなることもある。また、仕事と私生活の境界があいまいで、休日にも仕事のことばかり考えていると、ストレスはなかなか解消されず、疲れがたまりやすくなってしまう。
ポイント 「気分転換法」というと、何か特別な趣味を見つけなければならないのだろうかと思う人も多い。しかし実は、ちょっとしたことでも十分に気分は転換できる。例えば、月に1回でも友人と会っておいしく食事をしたり、鉢植えを買ってきて窓辺やベランダに並べてみてはどうだろう?このように、特別な準備をしなくても、ちょっとした工夫で気分をリフレッシュすることは可能なのだ。自分なりの楽しみ方を見つけて、ストレスをためない生活を心がけていこう。


コラム:緊張を感じたら、腹式呼吸でリラックス!
心身にストレスがかかると緊張状態が続き、呼吸が浅くなってしまう。呼吸が浅いと、全身に酸素が行き渡らなくなり、リラックスしたくても深いリラクセーションが得られなくなってしまう。そこで、緊張を感じたら、体の中心から深い呼吸をする「腹式呼吸」を実践してみよう。この呼吸法のいいところは、場所を選ばずどんなときでもできること。方法はかんたん。いすにゆったり腰を掛け、おなかをふくらませながら鼻からたっぷり息を吸い込んだら、おなかをへこませて口からゆっくり息を吐き出す。これを何度かくり返すと、緊張がほぐれてリラックスできるのだ。
    
まずは自分の考え方の癖を自覚しよう
見出しドットまずは、入力系の改善から

不快ストレスの原因となりそうなストレッサーを回避出来ないとしても、あなたがその刺激を不快なものと感じなければ、その後に続くストレス反応を防ぐことが出来ます。
刺激の情報を知覚として入力する時に、入力信号の強さを調節したり、不快信号を快に転換してしまえばいいわけです。


見出しドットストレスを乗り越える自信をつける

ものの考え方、感じ方を少し変えただけで、「どうして今まで、こんなことにこだわっていたのだろう」と不思議な気分を味わったことはありませんか?
これが、認知の修正です。
特に、結果を怖れてなかなか行動に移せないでいる消極的タイプの人、逆に何事にも挑戦的な人は、まず、自分の性質や体質がストレスを生み出していることを自覚することから始めます。
自分の考え方の癖を自覚すれば、見方、感じ方をコントロールしやすくなります。こうして、ストレス刺激を過剰に受け止めないような「認知」のパターンが身に付けやすくなるのです。