ショートカクテル

ロシア風の名前だが、生まれはドイツのハンブルクといわれる。グラスの中身はブランデーだけだが、問題はその飲み方。正解は、まずフタのようにグラスを被っているレモン・スライスを二つ折りにし、砂糖をはさむような形で、口に入れて噛む。そして、一気にブランデーを流し込む。すると口の中で砂糖とレモン・ジュース、ブランデーが混じり合って一つの味になるという寸法。いわば口中をシェイカー代わりにしたカクテルである。強い酒の割には案外飲み口がよくて、ついついおかわりということあるが、くれぐれも酔い過ぎにご用心を。
甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・40°
   
このカクテルは、実は日本生まれである。1950年代半ばに、日本のカクテル・コンクールでグランプリに輝いた作品で、印象に残るカクテル名と、情熱的な真紅のカラーから今も人気のあるカクテルの一つとして飲み続けられてきた。グラスの縁はグラニュー糖で飾ったスノー・スタイル。スノー・スタイルはグラスの縁をレモンで濡らし、そこに塩や砂糖をつける技法。この場合はグラニュー糖を使っているので口当たりは甘酸っぱい。スロー・ジンが鮮やかなレッド・カラーを演出する。
やや甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・30°
        
日本生まれのカクテルで、誕生したのは1950年。オール・ジャパン・ドリンクス・コンクールという大会でグランプリに輝いた作品である。ペパーミントを使い、甘口の中にもさわやかな味わいだが、ルックスの完成度も高く、今やスタンダード・カクテルの一つとして人気がある。砂糖でグラスの縁を飾ったスノー・スタイルは渚で砕ける白い波(現在はレモン汁をつけるだけのスタイルも多い)、グラスの中は南の青い海、そしてグラスに沈んだチェリーは珊瑚礁をイメージしている。
中甘
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・35°
           
「スレッジ・ハンマー」とは、両手で持って振り下ろす大きなハンマーのこと。そのイメージから、“強力”“パワフル”といった意味もある。このカクテルも、その名に恥じない強い酒である。ジン・ベースの有名な「ギムレット」のベースをウォッカに代えたものに「ウォッカ・ギムレット」がある。そのウォッカ・ギムレットよりもウォッカの量を多くして、シュガー・シロップも抜いたものが、この「スレッジ・ハンマー」なのである。
辛口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・30°
       
ロンドンの名門ホテル「ザ・サボイ」は、酒の世界ではバーテンダーのバイブル「サボイ・カクテル・ブック」を生んだカクテルの聖地としても知られている。そのサボイのチーフ・バーテンダーだったハリー・クラドック氏が1920年代に創作したカクテルが、この「アラスカ」。130種類以上の薬草を使った香草・薬草系リキュールのシャルトリューズ独特の香りとジンを組み合わせたちょっと甘口のカクテル。シャルトリューズの味が好みの人はとりこになってしまうカクテルの名品である。ただし、アルコール度数は、かなり高い。
やや甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・40
     
“暗がりでのキス”と艶っぽい名前を持つカクテルは、ジンとドライ・ベルモットにチェリー・ブランデーをプラスしたカクテルである。ジンとドライ・ベルモットの組み合わせは有名なマティーニだが、そこに甘いリキュール1種類加えることで、まったく別 のテイストのカクテルに変化した。チェリー・ブランデーは、実はブランデーではなくさくらんぼのリキュール。きれいな赤色と甘味を持ち、ヨーロッパ各地で作られている。
やや甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・25
 
ビトゥイーン・ザ・シーツとは、“ベッドの中に入って”という意味らしい。なんとも意味深長で、セクシーなフレーズを持つこのカクテルの味は、もちろんけだるく甘い。T.P.O.としては、ナイト・キャップ(寝酒)の部類に入るカクテルで、この甘さが心を落ち着かせ、心地よい眠りに誘ってくれる、はず。コアントローの代わりにホワイト・キュラソーを使ったり、ブランデーの量 を多めにして食後酒とするケースもある。バーでこのカクテルを注文するとき、どこか思わせぶりの感じもするのは、考え過ぎか……。
甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・40°
      
チェリー・ブランデーといっても、その実はチェリー・リキュールのこと。、デンマークの「ヒーリング・チェリー」、フランスの多彩なチェリー・ブランデーや「チェリー・マニエ」、イタリアの「モラッコ」など、さまざまなチェリー・ブランデーを使うことで、微妙な味わいの差が出る。ウイスキーは、アメリカン・ウイスキーのライかバーボンを使うのが定石。甘酸っぱい口当たりと香りで、女性にも人気のあるカクテルの一つ。
やや甘口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・37°
 
日本のカクテル・コンペティションで優勝した作品で、大空をイメージさせる鮮やかなブルー、さわやかで現代的な甘味を持つカクテルとして人気が高い。似たようなカクテルに、フランス生まれの「ハバネラ」があるが、こちらはレモン・ジュースを使っているので少し色が濁っている。やはり青空は透き通っていたほうが気持ちいい。
中口
[アルコール度数] ・・・・・・・・・・・・・・・・・25°
          

          
他にも、美味しくて飲みやすいカクテルがいっぱい。
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